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雪国に強い家の特徴とは?間取りや注意点などをわかりやすく解説

雪国の家の工夫2023.02.14

外観、間取り、生活動線…家を建てるとなったら、こんなことを考える時間が何より楽しいですよね。

 

しかし、建てる地域によっては気候や地形についても考慮しなければいけません。

 

とくに雪国で家を建てるのなら、温暖な地域とは違う視点の家づくりが必須です。

 

雪国の住宅にはどんな特徴があるのでしょうか。

 

本記事では、雪国の家づくりについてその特徴や、家を建てる際の注意点などについて詳しくご紹介します。

 


 

 

雪国の家づくりの特徴

雪国の住宅は温暖な地域の住宅と異なる特徴があります。冬には大雪が降る雪国では生活の中でさまざまな雪対策がほどこされており、住宅も同様に、雪への備えが重要視されます。

 

 

屋根の傾斜が急になっている

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雪国の住宅の屋根は急な傾斜がつけられています。屋根に積もった大雪が住宅を押し潰さないよう、階下へ雪を滑り落とすためです。

 

また、近年は屋根に積もった雪を融かす「融雪式住宅」も増えています。太陽光や燃料を使って屋根をあたため、雪を融かすタイプの住宅です。

 

 

多くの住宅が複階層建て

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複階層建ての住宅が多いことも特徴です。大雪の時期は屋根から滑り落ちた雪が地面を高い位置まで埋めてしまうため、低層部分に日光が入らなくなってしまいます。2階から上に居住空間を設ける住宅が多いようです。

 

 

雪国で家を建てる際の注意点

 

実際に雪国で家を建てるとしたら、どのような点に注意するべきでしょうか。温暖な地域と比べると寒い冬が長く続く雪国では、大雪対策をはじめ、冬の生活に重点を置いた住宅にする必要があります。

 

 

注意点①:高気密・高断熱

雪国の住宅は高気密高断熱が適しています。あたためた家の中に寒気(外気)が入り込まないようにする方法です。

 

できるだけ隙間ができないように部材を組み合わせるのが「高気密」、天井や壁に断熱材を入れて寒気(外気)を遮断するのが「高断熱」にあたります。

 

高気密も高断熱も、片方だけではうまく機能しません。そのため、両方を組み合わせた高気密高断熱の工法が用いられます。

 

 

注意点②:屋根の形状

大量の雪の重さで家を押し潰してしまわないよう、屋根の形状も雪国独特のものが用いられます。前述の急な傾斜をつけた形が雪国独特の形状です。

 

屋根に雪が残らないため、屋根を傷みにくくするメリットがあります。自然と雪が落ちることで雪かきの回数を減らせるのもメリットです。

 

一方、雪が落ちるスペース(敷地)の確保が必須であることも考慮に入れましょう。

 

 

注意点③:積雪荷重を考慮する

積雪荷重とは、雪が積もった屋根にかかる荷重を指します。屋根には庇とバルコニーも含まれます。雪は非常に重いため、積雪荷重を超える重さの雪が積もると住宅が危険な状況になります。

 

雪に住宅が押し潰されないよう、積雪荷重を計算した施工が義務付けられています。

 

積雪荷重は1平方メートルあたりの積雪量が定められ、よく雪が降る地域(多雪区域)とそれ以外の区域で分けられています。

 

雪国は多雪区域とされ、1平方メートルあたり30N(ニュートン・約3kg)が積雪荷重です。多雪区域に指定されている地域で家を建てる場合には、この基準を守った設計をおこないます。

 

 

注意点④:外壁素材の選択

 

屋根から落ちた雪を置くスペースが狭い場合、雪が外壁に接触したままの期間が長くなると凍害が起きる可能性があります。そのため、できるだけ凍害に強い(凍害が起こりにくい)素材を選んだほうが良いでしょう。

 

凍害とは寒冷地で起こりやすい現象です。コンクリートの水分が凍結と融解を繰り返すと、水分が膨張してしまい、やがてコンクリートを劣化させてしまいます。放置しておくと外壁だけではなく、家全体に悪影響が出てしまいかねません。

 

もちろん、雪国の建築会社は凍害に関する知識や対策を備えた住宅造りをしています。外壁の素材も雪国に適したものを勧めてくれるでしょう。凍害対策についてもぜひ質問してみてください。

 

 

注意点⑤:寒さ対策

冬場は厳しい冷え込みが起こる雪国では、高気密高断熱と合わせた寒さ対策が必須です。外気が入り込むと室温が低下します。

 

高気密高断熱のおかげで壁や屋根からの外気はシャットアウトできますが、窓の隙間から入り込む外気やガラスの冷たさが室温を下げる原因になりがちです。

 

そこで雪国では、温暖な地域でよく使われる一般的なガラスではなく、「複層ガラス」と呼ばれる2枚重ねのガラスを使います。一般的なガラスよりも断熱性に優れているため、寒さ対策にぴったりです。

 

また、サッシ部分にも注目しましょう。温暖な地域ではアルミサッシがよく使われますが、雪国では「樹脂サッシ」や「アルミ樹脂複合サッシ」を使うことが多くなっています。これらは断熱性が高いため、複層ガラスと組み合わせて使うとより効果的な寒さ対策ができるでしょう。

 

 

雪国の家の間取り実例

ここまでご紹介した流れの中で、もしかすると「雪国に家を建てたいけど、大雪対策が最優先で外観や間取りはあまり希望通りにできないんじゃ…」と思われたかもしれません。

 

しかし決してそんなことはなく、雪国ならではの対策をした上で、ご希望に添った家づくりが可能です。実例を3つご紹介します。

 

 

実例①:ラグジュアリー感と光があふれるテラスハウス

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ホワイトとあたたかいウッドカラーでまとめられた外観はスタイリッシュ。コートテラスを囲むようにコの字型に設計された家からは解放感があります。完全なプライベート空間になるコートテラスから見える空は家族だけの格別の光景です。

 

家の中にある吹き抜けも断熱対策がしっかりおこなわれているため、雪の時期でも快適に暮らせます。

 

テラスや窓からあふれるように差し込む光が室内を高級ホテルのような雰囲気に演出してくれるでしょう。

 

 

実例②:気分はアメリカ西海岸!多彩な素材のサーファーズハウス

>>アメリカンサーファーズハウス風の間取りの家のすべての写真を見る

 

いくつもの種類の素材を使って建てられたサーファーズハウス。庭とトータルコーディネートされた外観はスタイリッシュで、思わず二度見したくなります。

 

家中にあしらわれた古材やアイアン、タイルなどの素材がヴィンテージ感とともにアメリカ西海岸の雰囲気を作り出し、デッキとつながったリビングはあたたかな光が行き交います。

 

機能性も抜群です。快適な生活動線を実現する間取りをはじめ、リビング全体を見渡せるキッチンは家族同士のコミュニケーションを深める効果も。寒い季節でも家族の陽気な空間が楽しめることでしょう。

 

 

実例③:三角屋根が愛らしい。家族が集うハイセンスな空間

>>家族のリラックス空間になる間取りの家のすべての写真を見る

 

洋瓦があしらわれた三角屋根、ジューンベリーにアイアン素材のノブが得も言われぬ愛らしさを醸し出す外観の住宅です。ポーチにはテラコッタ風のタイルや鋳物が使われ、洗練されたセンスをうかがわせます。

 

ダイニングは屋根の勾配を活かした作りになっており、大きな窓からはたっぷりの光が降り注ぎます。

 

家の随所がこだわりぬいた素材や形で作り上げられ、まるで外国のファミリー映画のような美しさです。ハイセンスな空間の中、家族が楽しく集う住宅に仕上げられています。

 

 

まとめ:雪国の家について

雪国での家づくりは、大雪や寒さへの対策が必須条件です。アットホームラボでは雪国ならではの条件を加味しつつ、理想の住宅が建てられます。ご希望の間取りや外観、そのほかのこだわりがあれば、ぜひ担当に相談してくださいね。

 

 

この記事の監修

アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士


2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。

 

 

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