軒ゼロ住宅にするメリットとデメリットとは?後悔しないための対策も解説
マイホームを建てるにあたって、軒ゼロ住宅を検討している方もいるのではないでしょうか。
軒ゼロ住宅は現代風モダン住宅を実現できるため、スタイリッシュなデザインを好む方に適しています。
しかし、デザインだけを重視すると後悔する可能性があります。
メリットとデメリットを踏まえたうえで、軒ゼロ住宅にするか検討することが大切です。
この記事では、軒ゼロ住宅にするメリットとデメリットを解説します。
後悔しないための対策もまとめているので、理想の住まいを実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
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軒ゼロ住宅とは
軒ゼロ住宅とは、軒がなかったり短かったりする家をいいます。
そもそも軒は、外壁や窓より外側に突き出ている一戸建て住宅の屋根部分です。
次の2つのうちどちらかに当てはまる場合は、軒ゼロ住宅に該当します。
- 軒の出が25cmよりも短い
- ケラバが15cmよりも短い
軒の出(のきので)とは、外壁から外側へ出ている屋根の長さです。
また、ケラバとは屋根から出っ張っていて、屋根材や破風板、水切り板金などで覆われている部分になります。
軒自体が存在しないキューブ型の一戸建て住宅も、軒ゼロ住宅です。
軒ゼロ住宅にする3つのメリット
軒ゼロ住宅にするメリットは、以下の3つです。
- スタイリッシュな外観を実現できる
- 敷地を有効活用できる
- コストを抑えられる
軒ゼロ住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
メリット①:スタイリッシュな外観を実現できる
軒ゼロ住宅は、軒がある一戸建て住宅と比べて現代的なデザインにできる点がメリットです。
軒がないと凹凸が少ないため、シンプルでスタイリッシュなモダン住宅を実現できます。
軒の長さが出ると、屋根に重圧感が出て、和の雰囲気になります。
切妻屋根や片流れ屋根など、屋根の種類によっては日本の住宅で採用される落ち着いた印象の外観となるため、和モダンな住宅を好む方におすすめです。
軒ゼロ住宅は、軒が短いことからキューブ型やシャープな印象の現代的な外観を実現できます。
メリット②:敷地を有効活用できる
軒ゼロ住宅は、デザイン性だけでなく敷地を有効活用できるため室内の広さを確保できます。
建物を建築する際は、隣地の境界線から50cm以上距離を保たなければならないことが民法で定められています。
また、隣地との距離の基準は自治体ごとに決まりがあり、条件にあわなければ建築許可が下りません。
条件をクリアし、かつ室内を広くしたい場合は軒を短くする必要があります。
狭い土地など、できる限り室内の広さを確保したい場合、軒ゼロ住宅が適しています。
メリット③:コストを抑えられる
軒ゼロ住宅は、材料費や施工費などのコストを抑えられるメリットがあります。
一戸建て住宅を建てる際、軒が長いほど屋根の面積が増え、コストがかかるためです。
また、軒先に出ている屋根の裏側となる軒天の基礎工事も不要になります。
軒部分の点検やメンテナンスする部分を減らせるため、ランニングコストを軽減できる点も軒ゼロ住宅の良さです。
建築コストを抑えたい場合は、軒ゼロ住宅を検討するとよいでしょう。
軒ゼロ住宅にする3つのデメリット
軒ゼロ住宅はメリットだけでなく、デメリットが生じる点に注意しなければなりません。
押さえておくべきデメリットは、以下の3つです。
- 雨漏りしやすい
- 外壁が劣化しやすい
- 日差しが差し込みやすい
デメリットを踏まえたうえで、軒ゼロ住宅を検討しましょう。
デメリット①:雨漏りしやすい
軒がある一戸建て住宅に比べて、軒ゼロ住宅は雨漏りするリスクが生じます。
そもそも、軒は雨から外壁を守ったり侵入を防いだりする役割を担っているためです。
軒に長さがあると、雨水が外壁に伝うのを防止できるため、外壁が濡れにくくなります。
国土技術政策総合研究所の「第Ⅴ章木造住宅外皮の雨水浸入リスク評価方法」によると、軒の長さによって雨量が増えることが明らかになっています。
軒がない、もしくは短ければ軒の役割を担うものがなくなるため、外壁にあたる雨の量が増え、雨漏りする可能性がある点に注意しましょう
引用元:国土技術政策総合研究所|第Ⅴ章木造住宅外皮の雨水浸入リスク評価方法
デメリット②:外壁が劣化しやすい
軒ゼロ住宅は外壁が劣化しやすく、外壁の点検やメンテナンスが必要になります。
軒がない分、紫外線や雨などの影響を受けるためです。
コケやカビが発生するだけでなく、外壁材の継ぎ目を埋める目的で使用する弾性材料のシーリングが劣化してしまう可能性があります。
外壁の状態が悪ければ建物の劣化につながり、場合によってはシロアリ被害を受けてしまう可能性も考えられます。
軒ゼロ住宅では、こまめな外壁の点検が必要となる点がデメリットです。
住宅にかかるランニングコストについては、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】住宅にかかるランニングコストの一覧とその平均、抑え方についても解説
デメリット③:日差しが差し込みやすい
軒ゼロ住宅は軒がないため、日差しが差し込みやすく、部屋が暑いと感じる可能性があります。
軒は、直射日光を遮断する役割を担っているためです。
日差しが差し込むことで、夏場は暑さを感じるほか、冷房効果が低下する可能性もあるでしょう。
冷房効果が低下すると電気代がかさむため、事前対策を怠ると光熱費の負担が増す原因になります。
軒ゼロ住宅を検討する際は、直射日光によるデメリットについても、理解しておくことが大切です。
軒ゼロ住宅を後悔しないための対策
軒ゼロ住宅を後悔しないためには、事前対策が重要です。
主な対策は、以下の3つです。
- ガルバリウム鋼板など外壁材を工夫する
- 切妻屋根を検討する
- 窓にのみ庇をつける
それぞれ見ていきましょう。
対策①:ガルバリウム鋼板など外壁材を工夫する
軒ゼロ住宅を建てる際は、汚れにくい外壁材を検討することがポイントです。
紫外線に強く、汚れが付着しにくい外壁材を選ぶと、外壁の劣化をできる限り軽減できます。
たとえば、軒ゼロ住宅ではガルバリウム鋼板を採用するのもよいでしょう。
ガルバリウム鋼板の特徴は、以下のとおりです。
- 金属でつくられているため、さびにくい
- 耐久性や耐熱性が高い
- スタイリッシュなデザインを実現しやすい
ガルバリウム鋼板は、光沢感があるため現代風モダン住宅を実現したい場合に適しています。
また、軽量も特徴で、耐震性に優れた住宅をつくれるため、ガルバリウム鋼板は軒ゼロ住宅と相性の良い外壁材です。
対策②:切妻屋根を検討する
切妻屋根は絵で描くような三角の形状をした屋根で、雨漏りに強いといわれています。
複数の面が交差するような複雑な形状の屋根は、接合部分が雨水の侵入経路となり、リスクも高まります。
切妻屋根は形状がシンプルで、結合部分も頂上のみです。
加えて、2方向へ傾斜しているため雨水を分散できるという特徴があります。
たとえば、日本の住宅で主に使用されている片流れ屋根は、1方向への傾斜となり雨水が集中して流れ外壁が劣化しやすくなります。
軒ゼロ住宅で後悔しないためには、屋根の形状についても慎重に検討することが大切です。
対策③:窓にのみ庇をつける
日差しや雨対策として、窓にのみ庇(ひさし)を取り入れるのも対策の1つです。
庇とは、窓や玄関の上に取り付けられる小さな屋根をいいます。
長さが短いものであっても、窓の上に設けることで日差しや雨対策としての効果が期待できます。
ただし、庇をつけると外観に凹凸ができるため、デザイン性を重視したい方には不向きです。
庇をつけたくない場合は、遮光カーテンをつけるといった対策をすると日差しが室内に差し込みにくくなります。
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また、注文住宅の打ち合わせをするときのコツについては、以下の記事をあわせてチェックしましょう。
【関連記事】注文住宅の打ち合わせのコツ8選と注意点についてわかりやすく解説
スタイリッシュな外観が魅力の軒ゼロ住宅間取り例
当社アットホームラボが手がけたこちらの軒ゼロ住宅は、デザイン性と機能性のバランスを兼ね備えています。
軒がないため、外観がスタイリッシュにまとまっているのが特徴です。
また、内装も外観同様、ブラックをアクセントにまとめています。
素材にもこだわっており、部屋の隅々までデザインを統一した間取りを実現しています。
軒ゼロ住宅を検討する際は、デザイン性だけでなく機能性にも重視することが大切です。
当社アットホームラボでは、新潟県の気候・風土に適した高性能住宅を提供しています。
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アットホームラボで家づくりをしたオーナー様からのアドバイス

日常会話の中で出たアイデアや希望は、忘れないようにメモや共有をしておくとよいと思います。
次々と要望が出てきますが、「何を一番優先するか」を家族で話し合っておくとスムーズですよ。
担当スタッフはとても親身になって、メリット・デメリット両面を説明してくれますので、遠慮せず相談することですね。
参考:【オーナーズボイス】T様邸|上越 妙高 柏崎 注文住宅

YouTubeや動画で他人の事例を参考にするのも◎
でも一番大事なのは、「自分たちがどう住みたいか」を家族でしっかり話すことですね。
今だけでなく、10年・20年先まで見据えた設計視点が重要なのを学びました。
スタッフに遠慮せず、何でも相談することが「納得のいく家」実現の近道です。
参考:【オーナーズボイス】M様邸|上越 妙高 柏崎 注文住宅
まとめ:デザイン性と機能性の両方を兼ね備えた軒ゼロ住宅を実現しよう
軒ゼロ住宅は、デザイン性の高さや敷地を有効活用できるなどのメリットがあります。
軒がないことで室内を広く確保できるため、土地が狭い場合に適した住宅です。
ただし、雨漏りする可能性や外壁の劣化などのデメリットが生じる点についても、理解しておかなければなりません。
後悔しないためには、事前対策が重要です。
デメリットを踏まえたうえで、快適に過ごせる高性能の軒ゼロ住宅を検討しましょう。
アットホームラボでは、デザイン性と機能性の両方を兼ね備えた軒ゼロ住宅を実現できます。
新潟県内7ヵ所で見学予約を受け付けておりますので、当社の高性能デザイン住宅をご覧になりたい方は、「モデルハウスページ」からお申込みください。
【関連記事】挽き板、無垢、突板の違いは?それぞれの特徴と床材選びのポイントを解説
【関連記事】【後悔しない家づくり】家のランニングコストを徹底解説&節約術も紹介
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新潟県周辺で軒ゼロ住宅の施工事例を見たい方は、WORKSをご覧ください。
この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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